【新作『ゴジラ-0.0』―前作から受け継いだ“マイナスゼロ”の意味とは?公式情報から読み解く考察】
東宝が製作する新作映画『ゴジラ-0.0(マイナスゼロ)』が2025年11月4日に正式発表された。監督・脚本・VFXを務めるのは、前作『ゴジラ-1.0(マイナスワン)』を手掛けた山崎貴。タイトルロゴの公開とともに「新章始動」と銘打たれたことで、国内外で大きな注目を集めている。前作がアカデミー賞視覚効果賞を受賞したこともあり、続報を待つ声が高まっている。
「ゴジラ-1.0」を観るならAmazonPrimeがおすすめ!

■前作『ゴジラ-1.0』が示した「マイナス」の意味

2023年に公開された『ゴジラ-1.0』は、戦後の焼け跡を舞台に、人間が再び立ち上がるまでの“再生の物語”を描いた。タイトルの「-1.0」は、「ゼロからの再出発すら許されないほどの絶望」を意味していたと山崎監督が明言している。
(出典:映画公式パンフレット/舞台挨拶コメント)
“ゼロ”ではなく“マイナス”から始まるタイトルは、ゴジラシリーズの中でも異色であり、人間の心理的再生をテーマに据えた点が高く評価された。破壊の象徴としてのゴジラを、同時に人間の再生を促す存在として描いた点が印象的だった。
■新作『-0.0』に込められた可能性―複数の公式的考察
現時点で『ゴジラ-0.0』のあらすじや舞台設定、登場人物などは公式に発表されていない。ただし、タイトルの構造と監督コメントから、いくつかの方向性を推測することができる。
まず注目すべきは、“マイナスワン”から“マイナスゼロ”への変化だ。数学的には「-0.0」は「0」とほぼ同値だが、わざわざ“マイナス”を残した点に意味があると考えられる。
東宝公式サイトでは「『ゴジラ-1.0』の系譜を受け継ぐ新章」と説明されており、“ゼロ”ではなく“マイナスゼロ”という言葉が新たな“境界”を示している可能性がある。
- 再生の「直前」
“マイナスワン”が「再生前の絶望」を象徴していたのに対し、“マイナスゼロ”は「再生の直前=変化の境界」を指すとも読める。完全な“ゼロ”にはまだ達していない、つまり人類や社会が依然として未完の段階にあるという暗示だ。 - 破壊と創造の「共存」
山崎監督は以前のインタビューで「ゴジラは破壊と再生を同時に象徴する存在」と語っている。そう考えると、“マイナスゼロ”は“破壊によってゼロに戻すのではなく、破壊と創造が同時に存在する点”を意味しているのかもしれない。 - 「数値」ではなく「状態」を示す表現
タイトルに含まれる小数点「.0」も重要だ。デジタル的な印象を持つこの表記は、現代の技術社会、あるいは進化と停滞の間にある人類の立ち位置を象徴していると考えられる。これは『永遠の0』『アルキメデスの大戦』など、山崎作品に通底する“科学と人間性の狭間”というテーマとも響き合う。
-0.0を単体で見れば0で済む話ですが、「-1.0」の後だとそれは前進、進んでいる意味になります。

■監督・制作体制から見える方向性

今回の『ゴジラ-0.0』でも、山崎監督が脚本・VFXを一貫して担当する。制作は前作同様、東宝スタジオとROBOT、そして白組がVFXを担当。前作の映像表現が国内外で高く評価されたことから、さらに進化したビジュアルが期待される。
東宝の公式リリースによると、本作は「シリーズの新たな展開を担う」と明言されており、単なる続編ではなく“新章”としての位置づけが明確にされている。
また、前作が戦後日本という過去を描いたのに対し、今回の作品がどの時代を舞台にするかは未発表だ。もし現代または未来を描く場合、“マイナスゼロ”というタイトルは「破壊を経て再構築する世界」の象徴ともなり得る。山崎監督の過去作が常に“失われた時代”を背景にしてきた点を考慮すると、本作でも「記憶」「継承」「再生」というモチーフが中心に置かれる可能性が高い。
■「マイナスゼロ」が提示するテーマとは
物理的に存在しない「マイナスのゼロ」は、概念上の矛盾を含んでいる。だが、その“矛盾”こそが本シリーズの核心といえる。
前作で描かれたのは、絶望の中で生きようとする人間の姿。今作では、“生き延びたその後”に待つ新たな段階――つまり、「ゼロに戻れない時代」をどう生きるかが問われるのではないか。
タイトルの「-0.0」は、“無ではないゼロ”、“終わらない再生”を象徴する可能性がある。山崎監督が示す映像世界の精密さを考えれば、この数値表現にも緻密な意味設計があるとみて間違いないだろう。

■まとめ:シリーズの「再定義」へ
『ゴジラ-0.0』は、前作の成功を踏まえつつも、単なる続編ではなく、シリーズの根幹を再定義する試みとなりそうだ。
東宝公式によれば、現時点では公開時期・キャスト・ストーリーは未発表だが、「新章始動」というキーワードが示すのは、“再びの破壊”ではなく“再構築”であると読める。
“マイナスワン”で絶望を描き、“マイナスゼロ”でその先の可能性を問う。
破壊と再生、喪失と継承。――『ゴジラ-0.0』というタイトルには、そんな二面性を抱えた現代社会そのものが映し出されているのかもしれない。
今後の詳細発表と予告編公開に、世界中の注目が集まっている。
【参考出典】
- 東宝株式会社 公式ニュースリリース(2025年11月4日発表)
- AV Watch「山崎貴監督、新作『ゴジラ-0.0』発表」(2025/11/4)
- eiga.com 作品情報『ゴジラ-0.0』(2025/11/4 時点)
- Real Sound 映画部「山崎貴監督が語る“新章”への意図」(2025/11/5 公開)
公開中のおすすめ映画
映画「愚か者の身分」はグロい?! 痛烈な現代への風刺、観た人はどんな評価・感想?




コメント