①セイディー・シンクの役だけ、公開直前まで伏せられていた!
『スパイダーマン:ブランド・ニュー・デイ』の公開前、キャスト陣の役どころはほぼ出揃っていた中で、セイディー・シンクの役だけが最後まで謎に包まれていました。予告編に一瞬映る赤い髪や緑のジャケットから、ファンの間では「ジーン・グレイなのでは」という予想が広がっていましたが、本人も公式も、公開直前までその予想を肯定も否定もしませんでした。
デスティン・ダニエル・クレットン監督は、この徹底した情報統制について「セイディーの役柄を伏せていた理由は、映画を観れば理解してもらえる。知らない状態で観た方が、この作品はより楽しめる」と説明しています。実際に蓋を開けてみると、彼女が演じていたのはジーン・グレイ―X-MENを代表するミュータントのひとりでした。
②ジーン・グレイ抜擢、きっかけは”ネット上の噂”だった
セイディー・シンクがジーン・グレイ役を射止めた経緯には、ちょっと出来すぎているような裏話があります。実は彼女、正式なオファーが来るより前に、ネット上で「セイディー・シンクが『スパイダーマン』に出演するらしい」というファンの噂を自分自身で見つけていたそうです。本人は「まさか」と半信半疑だったといいますが、その数日後、本当にオファーの電話がかかってきたといいます。都市伝説のような噂話が、そのまま現実になってしまったというわけです。
起用の背景については、プロデューサーのケヴィン・ファイギも語っています。「私たちにはピーターの物語があった。常にピーターから始まり、ピーターで終わる物語だ。そこに当てはまるキャラクターは何人か考えられたが、セイディーの名前が挙がったことで、彼女が演じるキャラクター像が固まった」という趣旨のコメントを残しており、まず「ピーターの物語に寄り添えるキャラクターかどうか」が起点にあり、そこにセイディー・シンクという俳優の存在がはまったことで、ジーン・グレイという役どころが具体的に固まっていった、という順番だったことがうかがえます。
役柄が明らかになった後のインタビューでは、シンク自身も「話したいことが本当にたくさんある」と、公表できる日を心待ちにしていたことを明かしています。『ストレンジャー・シングス』で鍛えられた徹底した秘密保持の経験があったからこそ、あれだけの箝口令の中でも役柄を守り抜けたのかもしれません。↪インタビュー記事

③子役ミュージカルスターから、MCUの重要キャラクターへ
セイディー・シンクのキャリアを振り返ると、かなり早熟な歩みをしていることが分かります。
- 11歳:ブロードウェイ・ミュージカル『アニー』で舞台デビュー
- 13歳:ミュージカル『The Audience』(若き日のエリザベス2世を演じる若手キャストとして出演)
- 2016年:映画『チャンプ』でスクリーンデビュー
- 2017年:『ストレンジャー・シングス』シーズン2からマックス役でブレイク
- 2026年:『スパイダーマン:ブランド・ニュー・デイ』でジーン・グレイ役に抜擢
興味深いのは、クレットン監督との縁です。シンク本人が振り返るところによれば、2人は彼女が14歳の頃に出演した初期の映画ですでに一緒に仕事をしていたといいます。本人いわく「すべてが一周して戻ってきたような、不思議な縁を感じた」とのことで、今回の大役は決して偶然の抜擢ではなく、長年の信頼関係の延長線上にあった起用だったことがうかがえます。
また、シンクは『ストレンジャー・シングス』の最終シーズンについて語ったインタビューの中で、「スパイダーマンの現場も、ストレンジャー・シングスと同じくらい秘密だらけだった」と明かしており、今回の役についてどれだけ厳重な情報管理のもとで撮影が進められていたかがうかがえます。子役ミュージカルスターとしてキャリアをスタートし、10代でNetflixの看板ドラマの顔となり、20代でMCUの重要キャラクターを任される――着実にキャリアの階段を上ってきた俳優だと言えそうです。



