①【ネタバレなし】ゴッドバレー事件とは何か
まず、アニメですでに触れられている範囲から整理します。
ゴッドバレー事件とは、物語の現在時点から38年前、ウエストブルー(西の海)にあった世界政府非加盟国「ゴッドバレー」という島で起きた大事件です。この名前が最初に出てきたのは、レヴェリー編でセンゴクが語った場面でした。
センゴクの説明はこうです。当時最悪の海賊団と恐れられていたロックス海賊団に対し、宿敵同士であるはずの海軍中将モンキー・D・ガープと、海賊のゴール・D・ロジャーが一時的に手を組んで戦い、船長のロックス・D・ジーベックを討ち取った。この功績によりガープは「英雄」と呼ばれるようになった。そして事件の後、ゴッドバレーという島そのものが地図から消えてしまった――。
ここまでがアニメ視聴者が知っている情報です。そして重要なのは、この説明が事件のすべてではなかったということです。

②【ネタバレなし】ロックス海賊団とは何者だったのか
ゴッドバレー事件を語るうえで欠かせないのが、ロックス海賊団という存在です。
船長はロックス・D・ジーベック。そして注目すべきは、その船員たちの顔ぶれです。
- エドワード・ニューゲート(後の白ひげ・四皇)
- カイドウ(後の四皇)
- シャーロット・リンリン(後のビッグ・マム・四皇)
- 金獅子のシキ(映画『FILM Z』にも登場)
- 銀斧、王直、キャプテン・ジョン

つまり、後に世界を揺るがす四皇クラスの海賊が、若かりし頃に同じ船に乗っていたということです。この時点でどれだけ異常な集団だったかが分かると思います。
そして、この事件をきっかけにロックス海賊団は壊滅し、メンバーたちはそれぞれの道を歩んでいくことになります。白ひげ、カイドウ、ビッグ・マムという後の四皇たちの原点が、まさにこの事件にあったわけです。
――ここから先は、原作の内容に触れます。アニメで観たい方はご注意ください。
③【原作ネタバレあり】センゴクが語らなかった真実
エッグヘッド編のバーソロミュー・くまの回想、そしてエルバフ編のロキの回想を通じて、この事件の全貌が明かされました。
そこで判明したのは、センゴクが語った内容は嘘ではないものの、重要な情報がいくつも抜け落ちた一面的なものだったという事実です。悪く言えば、海軍や世界政府にとって都合の悪い部分が伏せられていたことになります。
事件の本当の発端は、ロックス海賊団ではありませんでした。ゴッドバレーで秘密裏に行われていたのは、天竜人による「先住民一掃大会」――島民や奴隷の命にスコアをつけて狩りを行う、虐殺ゲームでした。
さらに、この大会の上位入賞者には景品が用意されていました。そこには2つの悪魔の実と、海賊島の宝が含まれていたとされます。この宝の情報こそが、ロックス海賊団をはじめとする数多くの海賊たちをゴッドバレーへ呼び寄せる要因になりました。
ロックスは確かに悪ではあった。しかし、諸悪の根源ではなかった。この構図が明らかになったことで、「英雄が悪を討った日」として語り継がれてきた事件の意味合いは、大きく反転することになります。
ロキの回想ではさらに、シャンクスの出生の秘密、当時のドラゴンの姿、そしてロキの父ハラルド王がエルバフの世界政府加盟を条件にロックス討伐を求められていたことなど、数多くの情報が明かされました。一方で、島がどうやって消滅したのか、ガーリング聖がゴッドバレーで「とんでもないもの」を発見したと語るその正体が何なのかは、現時点でも明かされていません。

④史上初、ルフィが出ない映画になる可能性
ここで一つ、大きな疑問が浮かびます。
ゴッドバレー事件は38年前の出来事です。ルフィが生まれるよりずっと前の話ということになります。
これまでの『ONE PIECE FILM』シリーズは、『STRONG WORLD』『Z』『GOLD』『RED』と、すべて現在時点を舞台にしたオリジナルストーリーで、当然ながらルフィと麦わらの一味が主人公でした。ところが今回は、原作で描かれた過去の事件を映画化すると見られています。
もしそのまま38年前を描くのであれば、シリーズ史上初めて、ルフィが登場しない(あるいはほとんど出番のない)劇場版になる可能性があるということです。
もっとも、現時点でスタッフやキャストは一切発表されておらず、物語の構成も分かっていません。誰かが過去を語るという枠組みで現在パートが挟まれる可能性もありますし、まったく別のアプローチが取られるかもしれません。
いずれにせよ、ロジャー、ガープ、ロックス、そして若き日の白ひげ・カイドウ・ビッグ・マムが同じ画面で動く映画になるとすれば、それだけで前代未聞の一本になることは間違いなさそうです。




